熱射病の救急対処は水風呂に氷かき混ぜ

熱中症の疑いがある患者が発生した場合に、熱疲労か熱射病なのか判定するにはどうしたら良いでしょうか。

重症度(救急車を呼ぶかどうか)の判断に、私たちは何を基準とすれば良いのでしょうか?医療機関では深部体温を直腸で計測しますが、測る部位により体温が違う、家庭用の体温計による計測では判断材料とはなりません。

最も重要な点は、意識がしっかりしているかどうかです。少しでも、呼びかけに返答がおかしい、ろれつが回っていない、あーうーのうめき声のみのような症状がみられるなら、大至救急車を呼んで、病院へ搬送してください。

救急車が来るまでに何をするべきでしょうか?

少しでも早く、深部体温(内臓・脳)を下げることが、死なないために必要です。体を急いで冷やすにはどうしてら良いか?

『太い血管のある』首・脇の下・股の付け根を冷やすことが推奨されていますが、実は、上の表の Ⅱ・Ⅲ度 熱疲労・熱射病の段階ではこれでは間に合いません。

症状が出てから30分以内に、深部体温(内臓・脳)を38.9度以下に下げる必要があります。Ⅲ度の状態が続くと全身の炎症反応から多臓器不全へと進み、死に至ります。

ご家庭でなら、患者を水風呂に入れて氷を投入してかき回して冷却してください。この方法だと1分で0.15度以上の冷却が可能なので10分で1.5度以上の冷却となり38.9度以下になる可能性が高まります。

職場や学校の管理下でならブルーシートで船形に包み、水と氷を投入してかき混ぜてください。

その場でできることで対応するしかないのですが、大変に思える作業でも、勇気を出して取り組むことが大事だと思います。

*参考文献:熱中症診療ガイドライン2015(日本救急医学会)